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キレイゴトと毒が目一杯詰まった法科大学院生のブログ。
いつか殻を破って何かになりたいと企みながら
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『文章読本』(谷崎潤一郎)

評価:
谷崎 潤一郎
中央公論社
¥ 600
(1996-02)

谷崎潤一郎がつづった「良い文章」論。
超一流の文豪による、文章の書き方指南書です。

まず、どんな文章が良いのかについて、谷崎の主張がされています。
なかなか毒舌ですw
「悪文」に対しては、それが世間の流行だとしてもばっさり辛口評価。
ねちねちした物言いがちょっとムカつきます(笑)
でも一方で、良いものは良いときちんと認めていて。
鴎外や漱石、さらには紫式部をこんな風に見てたんだ、って分かるのが面白い。
なんだかんだいいつつ、
日本語が好きなんだなって端々から伝わってくる感じ。

読んでいるときの感覚は
老人のつぶやきを「ふむふむ」と聞いてる感じでした。
面と向かって語りかけられているようで
見た目の印象よりはるかに読みやすいし、すっと頭に入ってきます。

良い文章論はきっとそのまま、谷崎自身がこういう意識で文章を書いてるんだっていう種明かしでもあって、
谷崎作品を読んでいれば、そういう意味での面白さも加わるかも。


私にとって印象に残った主張は…

何でもかんでも言葉で表せるという幻想を捨てること。
全てを言葉で表現しつくそうとしないこと。
その曖昧さを楽しみ、解釈を読み手に委ねること。

こんな感じのことを、具体例を引きながら述べています。

心の機微なんて自分でもよく分からないのに、まして言葉で切り取れるわけがない。
分からないものと割り切ってしまった方が情緒や余韻を伝えられる、遊びがある。

英語と日本語との対比や、引用された具体例を読むと確かに、
詳しく書いてるものより
言葉足らずなくらいの方がずって
何かが伝わってくるから不思議です。
短い文章の方が、伝わるものがはるかに多い。

厳密に伝えようと詳しく書きすぎて、よけい何も分からなくなる例は、
判決文や法律の条文が代表的ですね。特に金商法とか。
書き手が頑張れば頑張るほど泥沼になってます(笑)


もともと曖昧なのが日本語の特徴だそうで、特に日本語は、厳密さを追及するには向いていないよう。

でも逆にその曖昧さが日本語の良いところでもあって、
曖昧さが、俳句や短歌に代表されるような味わい深いをかもしだしています。

この本は、そういう日本語の魅力も伝えてくれます。
私は単純に感化されて、日本語素敵!って思いました(笑)

普段使ってる日本語について、長所も短所も、語っている本。
日本人なら、一度読んでみてもいいんじゃないでしょうか。

日本語とどうつき合っていくか。
ヒントはこの本の中にたっぷりです。
そして谷崎さん、色々言いつつも
日本語が大好きなようでした。
 ]
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-  at 2009/07/10 15:09
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