Eggs&Seeds

キレイゴトと毒が目一杯詰まった法科大学院生のブログ。
いつか殻を破って何かになりたいと企みながら
頭に浮かんだ独り言をありのままに吐き出します。皆様見守ってやってください。
感想・ご意見その他、コメント・TB大歓迎☆(但し、スパムは見つけ次第削除させていただきます。)

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2010年8月読書記録

8月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2726ページインシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)殺人が許され期待されている空間で「夜」独りでいることを強制される恐怖、強い外的ストレスで鈍る判断力、そして殺人という異常事態にも生まれる慣れ…心理描写が緻密でリアル。極限状況下において半狂乱になる人間もいれば、それでもなおプライドやロジックで動く人間もいる。普通に面白い小説だけど、やっていることが大きいわりに主催者があまりに抜けてるというか稚拙なのがちょっと…そこはコミカルにすべきところじゃない気がした。読了日:08月27日 著者:米澤 穂信
阪急電車 (幻冬舎文庫)阪急電車 (幻冬舎文庫)見ず知らず同士が、ほんの一瞬、同じ空間で同じ時間を共有する。電車に乗ってくる人、降りる人、ホームで待つ人…そんな老若男女が織りなす人間模様。作者の目のつけどころは鋭い。でも作品の印象は、ほんわかあたたかい。読み終えると、ささやかな幸せ感にひたれます。ふとしゃがみこんだら、四つ葉のクローバーを見つけたような感じ。恋したくなる。読了日:08月26日 著者:有川 浩
予知夢 (文春文庫)予知夢 (文春文庫)オカルトとミステリは紙一重。身の回りで意外に多い占いや霊感の類いは、一体どこまで説明をつけられるやら。読了日:08月25日 著者:東野 圭吾
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 09月号 [雑誌]COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 09月号 [雑誌]絶景付の鉄道旅行したい。読了日:08月24日 著者:
夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)青春小説。大人と子供の狭間を揺れ動く高校生の心理描写がみごと。読了日:08月24日 著者:恩田 陸
女系家族〈下〉 (新潮文庫)女系家族〈下〉 (新潮文庫)二通の紙切れでそれまでのいさかい全てが無に帰すさまは、こぎみよさを感じる。相続財産に執着することは不幸のもと。第三者視点では明らかでも、当事者になるとそれが見えないくらいに惑わされてしまう。人間は単純。読了日:08月14日 著者:山崎 豊子
女系家族〈上〉 (新潮文庫)女系家族〈上〉 (新潮文庫)どろどろとした魑魅魍魎のうずまくお家騒動を描いた小説。お金のことで実の兄弟が仲違いするのは悲しいけれど、お金にはそれだけの魔が宿っているのも事実。読了日:08月14日 著者:山崎 豊子
人は仕事で磨かれる (文春文庫)人は仕事で磨かれる (文春文庫)伊藤忠の元社長のエッセイ。とにかく誠実に正直に、関わりあう人達全てと真正面から向き合って、ご自身の正義を貫いた結果、トップに登り詰めた方。叱るときは叱るが理不尽な扱いはしない。若手の意見にも耳を傾け、いいものは即採用。やや古い部分もあるのかもしれないけれど、読めば読むほど理想の上司です。人間の能力には大差ない、差がつくのは粘り強さや人間力。役職や肩書きは目指すものではなく、他人の後押しがあればついてくる。読了日:08月05日 著者:丹羽 宇一郎
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2010年6月読書記録

久しぶりに読書記録復活です。

6月の読書メーター読んだ本の数:4冊読んだページ数:713ページStory Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]Story Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]お気に入りの短編集第三弾。前作・前々作に感じた勢いはないけど、粒ぞろいに変わりなし。さだまさしの小説って初耳だったけど、読んでみるとこれがなかなか心に響く。読後、言葉を紡ぐのは作詞でお手のものかと妙に納得。司法試験受験生が出てくる作品もあって、ああ世間的にはこういうイメージなのかと新鮮な驚きも。「受験勉強で洋書なんて読まないよ!」とか、つっこみどころも多々ありましたがw
読了日:06月28日

サッカーの見方は1日で変えられるサッカーの見方は1日で変えられるW杯のにわかサッカーファンとしては、なるほど〜と感心しきり。ただ、「よし、これで見方が変わりそう!」と意気込んでいざ日本戦を見ると、夢中になりすぎて本の内容は頭から吹き飛んでしまいます…
読了日:06月27日 著者:木崎 伸也

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)個々人にとっての「真実」は、その人にとってそうあってほしいものであり、そうあるべきものであり、一つの正義。視点が変われば「真実」は変わるし、告白に表れたものが「真実」であるかどうかは第三者には決して分からない。支離滅裂な告白に正直さを見いだし、理路整然とした告白に嘘を感じ取るパラドックス。「鬼気迫る」という言葉がしっくりくる作品。
読了日:06月16日 著者:湊 かなえ

働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)前作同様に駒崎氏の文体は読みやすく、惹きこまれます。「忙しい」という自己イメージが仕事人間を生む。「9時〜6時」と決めてしまえば、それはそれで平時ならば仕事が回る。「忙しくて仕事以外の時間がない」というセリフは往々にして、生産効率を上げる努力放棄の言い訳なのだと改めて思いました。気をつけよう。時間は作るもの。「がむしゃらに頑張る」は自己満足度は高いけど効率は悪いと自覚すべき。ラスト「課題先進国」云々のやり取りが好きです。この教授は、きっと前総長かそれに近しい人ですね。
読了日:06月06日
著者:駒崎 弘樹
読書メーター
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10月の読書記録

だいぶ遅くなりましたが、先月の読書記録。

今月は先月とうって変わって激減したので
そろそろ読書休止期間かも。

半年くらい前、無性に弱気になっていたとき
「今に泣き言なんて言ってられないほど忙しくなるから、心配しなくて大丈夫♪」
と、ある人が声をかけてくれました。
良くも悪くも、本当にその通りになってきている今日この頃。

10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2172ページ

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)
あいかわらずの四人組の絶妙なやり取りが爽快!愛すべきギャングたち。
読了日:10月31日 著者:伊坂 幸太郎
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)
ここ最近で一番の傑作。でも気軽に勧めるわけにもいかない作品。なぜなら、作中で淡々と描かれる感情が、鉛のように重い、果てしない虚無と絶望と自己嫌悪だから。テンポが良くて軽快な文章とは裏腹。その意味で、心が元気なときにしか読んではいけない本かもしれません。自分が生まれなかった世界での、残酷な「間違い探し」。何もできない、役に立たない、そんな自分の存在意義は?排除すべきボトルネックは?…希望がないから死ぬ、そんなのはわがまま。最後、主人公はそれに気づいて一歩を踏み出したのだと、私は前向きに解釈したいです。救いのない物語だというのが専らの評価ですが、そこは読み手次第。
読了日:10月24日 著者:米澤 穂信
娼年 (集英社文庫)娼年 (集英社文庫)
テーマの割には、柔らかい物語。文体は淡々と客観的で読みやすい…けれど私はこの世界観についていけません。当事者がwin-winならいいじゃないか、誰にも迷惑かけてない、そんな発想が見え隠れ。石田衣良作品は初ですが、なんだか苦手だなぁと思ってしまった。ただ、考えさせられたこともあって…一般に「普通」とされるものは違った観念や感覚の持ち主が、自分に素直に生きるために「普通の人」と同じ「普通の生活」を諦めるという選択を否定してしまうことの是非。少数派への配慮と、多数派の主張との落としどころ。
読了日:10月20日 著者:石田 衣良
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
ノートは、忘れるために書く。この本のコンセプトも方法論も頭ではとても納得できるし、一般的にいえば生産性に寄与するのはきっと間違いないと思います。ただ、読者として想定されるビジネスマンとはやや違った立ち位置の自分にとっては、どうカスタマイズするかが難題。
読了日:10月15日 著者:美崎栄一郎
赤い指 (講談社文庫)赤い指 (講談社文庫)
現実と向き合うのは、誰だって怖い。そんな人間の弱さの連鎖が生んだ単純な事件だからこそ、リアル。こういう家庭、少なからず実在するのでは。
読了日:10月12日 著者:東野 圭吾
ラスト ワン マイルラスト ワン マイル
郵政民営化で経営危機に立たされた物流会社で、業界のビジネスモデルを根本から覆す新事業を立ち上げていく、サラリーマンの熱い闘いの物語。現実の事件を下敷きにしたリアルなメディア買収劇の中で、「想いが、カタチに」なっていく後半の展開は圧巻。引き込まれること必至。こういう上司と企業風土、いいなぁ。「安定は情熱を殺し、緊張、苦悩こそが情熱を産む」
読了日:10月11日 著者:楡 周平
サヨナライツカ (幻冬舎文庫)サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
二人の純愛だけを取り出せば、切なく感動的な物語・・・なのかもしれません。でも、婚約者と別れない道を選んだのに結局会いに行っちゃうし、どっちつかずで私は受け付けませんでした。主人公は、光子よりも沓子よりも自分をとった。なのにその自覚が無くて、彼女達も許してくれるだろうと、心のどこかで思っているだろうところが気にくわない。対照的に、光子(おそらく全てを知っていた、と思う)の強さが光る。「悩みは人を大きくし、迷いは人を薄っぺらくする。」「最期に思い出すのは、愛したことか、愛されたことか。」
読了日:10月03日 著者:辻 仁成

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9月の読書記録

9月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:744ページ

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)
きつねにつままれたような読後感。作者の意図にどっぷりはまって騙されました。最後の最後で、それまで頭の中にイメージしていた風景が全編にわたって覆される。完敗です。読み返したら、全く違う物語が楽しめそう。
読了日:09月24日 著者:道尾 秀介


容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)
全く予想外のトリックはさすが、虚をつかれました。衝撃のラストは・・・誰も幸せになれなくてあまりにやるせない。石神の強さと靖子の弱さの対照に、作者の真意があるのでしょうか。
読了日:09月16日 著者:東野 圭吾

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7月の読書記録

7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1862ページ

考具―考えるための道具、持っていますか?考具―考えるための道具、持っていますか?シンプルで使える本!手元に一冊置いておきたい虎の巻。巷に溢れる数々のシンキングツールをとにかく使ってみるために、必要最低限の情報に絞って説明されています。便利便利。この本をざっと読み直すこと自体、行き詰まったときのヒントになりそう。読了日:07月24日 著者:加藤 昌治


終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)世界の終末まで、あと三年。その現実に直面した人々の千差万別な生き方を、短編集の形で描いています。そこからの思考は、読み手に丸投げ。投げられたら、考えずにはいられません。私はどう過ごしたいか?苗場のように変わらないのが理想だという結論。刻一刻とタイムリミットが迫って初めて、あるべき過ごし方に辿り着くって皮肉じゃない?いざそういう場面になったとき、そうすることが難しいのか、簡単なのか、どっちなんでしょうね。読了日:07月21日 著者:伊坂幸太郎



日本人も知らなかったニッポン (中公文庫)日本人も知らなかったニッポン (中公文庫)ときどき古臭い紋切り型の日本像にイラつきを覚えるのは、この本が書かれた当時より日本が欧米化した証拠でしょうか。とはいっても今でも健在な根本的なものの見方の違いと、そこから浮かび上がる「日本」の特徴には目を見張るものがあります。「日本人は」とひとくくりにされることへの戸惑いは、逆に私たちが外国を見る際にも覚えておくべきこと。読了日:07月13日 著者:桐谷 エリザベス


宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)最先端の分野で科学と哲学は紙一重だと、ある人から聞いたことがあります。まさにそういう分野の研究の歴史を描き出した作品。科学も人間の所業だということを改めて感じさせてくれます。読了日:07月04日 著者:サイモン シン


死神の精度 (文春文庫)死神の精度 (文春文庫)人間の死にはドライで音楽が大好きな、愛すべき死神が主人公の短編集。
短編同士が最終話でリンクして、死神の時間感覚で物語を読んでいたことに気づいた瞬間がなんともいえない。読了日:07月04日 著者:伊坂 幸太郎


レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)読んでて恥ずかしくなる青春純愛小説。ベタなのに、一気に物語に引き込まれる。読了日:07月04日 著者:有川 浩
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『ショートカット』(柴崎 友香)

評価:
柴崎 友香
河出書房新社
¥ 515
(2007-03)

カフェのセットメニューで出会った本。

お互いにさりげなくリンクしあった4編を収録した短編集です。

全体に共通して漂う、独特の空気感がとっても心地よくて
他の作品も読んでみたい作家さん。

(最後の解説に書いてあることと重なりますが)
小説に夢中になればなるほど
連想ゲームのように色んなことを想像して
思考が小説を離れて、あちらこちらに飛びまくる。
そういうことが違和感なく自然にできちゃう作品。

あえて小説世界に引き込もうともしていなければ
現実を小説世界に持ち込むことも拒まない、
何とも不思議な空気感です。

作中では
奇想天外な大事件は起こりませんが
ささやかな出来事が連なった日常の中を
それに一喜一憂しながら
やっぱり自然体で生きている人達が描かれていて
普通のありふれた光景なのに、なぜかとても印象的。
意識にのぼらないくらい細やかな部分を、しっかり拾っていて
感情も、風景も、写実的だから?

この短編集は「距離感」が共通テーマのようですが
その描き方がまた、何とも言えず絶妙。

私は、「やさしさ」という作品が一番好きでした。
「やさしさ」に登場した彼が同一人物は分かりませんが、
そうだとしたら全編に出てくる、大阪弁の「なかちゃん」がいいやつ。
最後にちょっとだけ、「なかちゃん」の話が明らかに・・・なるかと思えばそうでもない?

内容(「BOOK」データベースより)
人を思う気持ちはいつだって距離を越える。離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。「だって、わたしはどこにでも行けるから」―遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。
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6月の読書記録

6月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:781ページ

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)
「宇宙とは?」この疑問に立ち向かってきた人達を描いた壮大なドラマ。
地球は宇宙の中心である、宇宙は無限で永久の存在である、太陽は第5元素からできている…。
相対性理論、ドップラー効果、放射線崩壊、望遠鏡と写真技術の発達…全てが絡み合いながら、従来の宇宙理論を塗り替えていく。
地球を知り、太陽系を知り、銀河系を知り、そして宇宙へ。
人間は「地球」という箱の中にいながらにして、その外側を知ろうとしている。
ロマンたっぷりで、フェルマーと同じかそれ以上に面白い!
読了日:06月10日 著者:サイモン シン


陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
個性的な4人のギャングが繰り広げる、爽快なドタバタ劇。
結果がうっすら予想できるけど、伊坂幸太郎はそのさらに上を行く。
結果に至る肉付けがうますぎです。響野が素敵です。続編も読みたい!
読了日:06月02日 著者:伊坂 幸太郎
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『レインツリーの国』(有川浩)

友人から教えてもらった有川浩の中編小説が琴線に触れて
他の作品も読んでみたいなぁって思っていたところに
法律書を買いに書籍部に行ったら
ちょうど平積みされているのが目にとまってお買いあげ。

数日前に文庫化されたばかりみたい。
これも何かの縁ですね。

ちょっと休憩のつもりで読み出したら
ぐいぐい引き込まれてとまらなくなって、一気に読んじゃいました。
薄めとはいっても、文庫一冊、一日で読んだの久しぶりです。

その吸引力はどこにあるのかって言ったらやっぱり
ストレートな感情を、包み隠さずガツンとぶつけてくるところでしょうか。
ここまで正面から体当たりしてこられたら
この先どうなるのかが気になって気になって。

20代後半の男女が主人公の青春純愛小説です。

主人公達自身がも「青春菌に感染した」って表現しているくらいで、
特に冒頭、直球すぎて、むずがゆくなるようなメールのやり取りの押収です。
読んでるこっちが照れて恥ずかしくなりました(笑)

自分の日常の近くにいない相手で、しかもメールだから、
思ったことをそのまま言いやすいっていうこの感覚、
昔々の中学生だか高校生だかの頃に、身に覚えがあるような、ないような。
そういうところがよけいに恥ずかしさを助長します。

本や映画を見たとき、特にそれが気に入ったとき
誰かと感想をシェアしたくなる気持ちも
でも実際は難しいというのも、
感性の方向性が似てて、かつ、違う視点を提供してくれる人を見つけると楽しいのも、とてもよく分かる。

いつもは、甘々の純愛モノって苦手で読み切らないことも多いのですが
今回すっと小説の世界に入っていけたのは
歯の浮くような直球の言葉一つ一つに、
キレイな部分も、どろどろした部分も、
生々しくて複雑で現実的な感情がこめられていたからかなって思います。
全部というわけにはいきませんが、二人のどちらにも、共感できました。

二人が離れたり近づいたりを繰り返しながら
絆をつむいでいくプロセスからは、「恋愛」に限らず、
人と人のコミュニケーションってこういうもの、というのが浮き出てきます。
見栄とかプライドとか羞恥心とか恐怖とか、
色んな感情がが邪魔をするけど
それでもぶつかることが始まり。
私にとっては不得手な領域ですが^^;

この小説は、
時折、女性視点と男性視点が切り替わりながら、一人称で語られます。
その体裁は、「冷静と情熱のあいだ」に似ているかも。
「冷静と〜」には、一つの物語を女性視点で描いたRosso(江國香織)と男性視点のBlu(辻仁成)とがあって
私の周辺では、どちらのバージョンが好みか、男女ではっきり分かれます。
この本も、男女で大きく印象が変わりそう。

私からすれば、「ひとみ」の言い分が相当面倒に映る(そうしたくなるのは分かるけど)だけに
それを面倒と言いつつ見放さない「伸」の忍耐強さに感服です。


内容(「BOOK」データベースより)
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。


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『文章読本』(谷崎潤一郎)

評価:
谷崎 潤一郎
中央公論社
¥ 600
(1996-02)

谷崎潤一郎がつづった「良い文章」論。
超一流の文豪による、文章の書き方指南書です。

まず、どんな文章が良いのかについて、谷崎の主張がされています。
なかなか毒舌ですw
「悪文」に対しては、それが世間の流行だとしてもばっさり辛口評価。
ねちねちした物言いがちょっとムカつきます(笑)
でも一方で、良いものは良いときちんと認めていて。
鴎外や漱石、さらには紫式部をこんな風に見てたんだ、って分かるのが面白い。
なんだかんだいいつつ、
日本語が好きなんだなって端々から伝わってくる感じ。

読んでいるときの感覚は
老人のつぶやきを「ふむふむ」と聞いてる感じでした。
面と向かって語りかけられているようで
見た目の印象よりはるかに読みやすいし、すっと頭に入ってきます。

良い文章論はきっとそのまま、谷崎自身がこういう意識で文章を書いてるんだっていう種明かしでもあって、
谷崎作品を読んでいれば、そういう意味での面白さも加わるかも。


私にとって印象に残った主張は…

何でもかんでも言葉で表せるという幻想を捨てること。
全てを言葉で表現しつくそうとしないこと。
その曖昧さを楽しみ、解釈を読み手に委ねること。

こんな感じのことを、具体例を引きながら述べています。

心の機微なんて自分でもよく分からないのに、まして言葉で切り取れるわけがない。
分からないものと割り切ってしまった方が情緒や余韻を伝えられる、遊びがある。

英語と日本語との対比や、引用された具体例を読むと確かに、
詳しく書いてるものより
言葉足らずなくらいの方がずって
何かが伝わってくるから不思議です。
短い文章の方が、伝わるものがはるかに多い。

厳密に伝えようと詳しく書きすぎて、よけい何も分からなくなる例は、
判決文や法律の条文が代表的ですね。特に金商法とか。
書き手が頑張れば頑張るほど泥沼になってます(笑)


もともと曖昧なのが日本語の特徴だそうで、特に日本語は、厳密さを追及するには向いていないよう。

でも逆にその曖昧さが日本語の良いところでもあって、
曖昧さが、俳句や短歌に代表されるような味わい深いをかもしだしています。

この本は、そういう日本語の魅力も伝えてくれます。
私は単純に感化されて、日本語素敵!って思いました(笑)

普段使ってる日本語について、長所も短所も、語っている本。
日本人なら、一度読んでみてもいいんじゃないでしょうか。

日本語とどうつき合っていくか。
ヒントはこの本の中にたっぷりです。
そして谷崎さん、色々言いつつも
日本語が大好きなようでした。
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5月の読書記録

レビューしたい本はいっぱいあるんだけど
全部書いてたらいくら時間があっても足りなくて
かといって永遠にアップできないのも切ないので
読書メーターのまとめ機能を利用することにしました。

気が向いて、時間があったら
一冊ごとのレビューも書きます。

5月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1350ページ

任天堂 “驚き”を生む方程式任天堂 “驚き”を生む方程式
任天堂って、すごく面白い!会社自体が、ビジネスの物差しではかれない娯楽の要素を持ってる。「娯楽の職人魂」とでもいうようなものが、任天堂の屋台骨。
読了日:05月31日 著者:井上 理
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
最後に明かされる衝撃の事実には、泣くしかない。
読了日:05月18日 著者:伊坂 幸太郎
納棺夫日記 (文春文庫)納棺夫日記 (文春文庫)
もし貴賤というものがあるとすれば、それを決めるのは、その人の誇りだと感じました。イメージほど辛気臭くはない。何年か経って読み返したら、また違ったものを得られそうです。
読了日:05月14日 著者:青木 新門
文章読本 (中公文庫)文章読本 (中公文庫)
谷崎潤一郎の文章のエッセンスがぎゅっと詰まった本。日本語の魅力に気づかされます。
読了日:05月12日 著者:谷崎 潤一郎
できる大人の“一筆添える”技術できる大人の“一筆添える”技術
こういう一手間、素敵。
読了日:05月01日 著者:むらかみ かずこ

読書メーター
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